無機地球化学

クリーンルーム

クリーンルーム
概要
フィルタを通して塵芥を排除した大気を循環させている清浄度が確保された部屋のことです。内部では、環境からの汚染を受けやすい微量元素の化学操作や分析作業が行われています。

二重収束型多重検出ICP質量分析計(MCICPMS)

二重収束型多重検出ICP質量分析計(MCICPMS)

メーカー
サーモフィッシャーサイエンティフィック株式会社
型番
Neptune
概要
ICPの利点である多くの元素での高いイオン化効率を生かして、イオン化ポテンシャルの高い元素を中心に、同位体分析を行う装置です。磁場によりイオンを質量ごとに選別するため、複数のイオンの同時検出が可能であり、また経時変化の少ない質量差別効果の特長を生かして、高精度同位体比分析が可能です。TIMSとは多くの場合相補的な関係にあります。
仕様
Neptuneは、広いダイナミックレンジを持つファラデーカップ9つと高い感度を持つイオンカウンタを3つ備えており,質量数の異なる同位体イオンを同時に検出し、それらの存在度の比(同位体比)を高精度で測定することができます。
応用例 ・Tl外部補正を利用したPb同位体分析
・Li, Mg, Zn, Sb, Eu, Wなどの安定同位体存在度の高精度測定
機器のある場所
ICP質量分析室

表面電離型質量分析計

表面電離型質量分析計

メーカー
サーモフィッシャーサイエンティフィック株式会社
型番
TRITON TI
概要
化学的な前処理によりあらかじめ単元素にまで分離しておいた試料を、レニウム、タンタル、タングステン等の金属製フィラメントに塗布し、真空中で過熱してイオン化させます。発生したイオンは質量数の異なる同位体イオンに分離され、検出されます。
仕様
TRITONは、9つの検出器(ファラデーカップ)を備えており、質量数の異なる同位体イオンを同時に検出し、それらの存在度の比(同位体比)を高精度で測定することができます。
応用例
  • 炭酸塩鉱物,堆積物,岩石,天然水に含まれる微量のストロンチウム(〜10 ng)の同位体比(87Sr/86Sr)の高精度測定
  • 堆積物,岩石に含まれる微量のネオジム(〜10 ng)の同位体比(143Nd/144Nd)の高精度測定
  • 炭酸塩鉱物中のホウ素の高精度同位体分析(開発中)
機器のある場所
無機地球化学実験室

安定同位体分析システム

安定同位体分析システム

メーカー
Thermo
型番
Thermo-Finnigan MAT 253 Mass Spectrometer
概要
安定同位体質量分析装置で、軽元素(C, N, O)の安定同位体が測定できます。 特に、炭酸塩(固体,ガス)のC, Oの自動測定が可能です。
仕様
本機器は、デュアルインレットシステムでスタンダードとサンプルの同位体比を交互に測定します。炭酸塩は、カーボネイトディバイス(Keil device III)による自動測定、あらかじめ精製されたCO2ガスは、オートクラッカーによってガラス管(Φ6mm)を割り折り自動測定ができます。酸素同位体比±0.05‰、炭素同位体比±0.03‰以内で測定が可能です。
機器のある場所
無機地球化学実験室

安定同位体比質量分析計

安定同位体比質量分析計

メーカー
Isoprime Ltd
型番
IsoPrime
概要
生息水深の異なる浮遊性有孔虫の炭素・酸素同位体比を高精度に測定し、コアの年代モデル構築のための酸素同位体層序の確立を行います。
仕様
分析試料 浮遊性有孔虫,底生有孔虫,バルク炭酸塩など
分析必要量 ルーチン分析時は50-150 μg (CaCO3)
測定精度 0.06 ‰ (δ18O), 0.05 ‰ (δ13C)
  年間平均2,000 測定程度という高いデータ生産性
文献 池原・村山・多田井・外西・大道・川幡・安田,四国沖から採取された2本のIMAGESコアを用いた第四紀後期におけるテフラ層序,化石79, 60-76 (2006).
Harada, N., Ahagon, N., Sakamoto, T., Uchida, M., Ikehara, M., and Shibata, Y., Rapid fluctuation of alkenone temperature in the southwestern Okhotsk Sea during the past 120 kyr, Global and Planetary Change, 53, 29-36 (2006).
Kameo, K., Okada, M., El-Masry, M., Hisamitsu, T., Saito, S., Nakazato, H., Ohkouchi, N., Ikehara, M., Kitazato, H., and Taira, A., An age model and physical properties of the upper Quaternary core sediments in the Choshi area, central Japan, and their paleoceanographic significance, The Island Arc, 15 (3), 366-377 (2006).
Sakamoto, T., Ikehara, M., Uchida, M., Aoki, Shibata, Y., K., Kanamatsu, T., Harada, N., Iijima, K., Katsuki, K., Asahi, H., Takahashi, K., Sakai, H., Kawahata, H., Millennial-scale variations of sea-ice expansion in the southwestern part of the Okhotsk Sea during 120 kyr: Age model, and ice-rafted debris in IMAGES Core MD01-2412, Global and Planetary Change, 53, 58-77 (2006).
機器のある場所
無機地球化学実験室

ICP質量分析計

ICP質量分析計

メーカー
パーキンエルマー株式会社
型番
Elan DRCII
概要
ICPでイオン化された目的元素を大気圧から高真空内に直接引き込み、四重極フィルタにより目的イオンのみを選別し、そのイオンの量を検出する装置です。イオンは元素に特有な質量数をもっており、四重極により高速に目的質量範囲を掃引することで、試料に含まれる目的元素の多元素同時定性・定量分析が可能です。イオンを真空内に引き出す電極を廃止することで、感度は低いものの対マトリックス性能を優先して、高い塩濃度の試料の分析ができることが特長です。またアンモニアを反応ガスとしたリアクションセルモードでは、ICPに特有なAr+やArO+などの多原子分子のイオンを中性原子化することで、CaやFeのイオンと分離することが可能で、ほぼすべての元素について1ppb程度の濃度の検出が可能です。
応用例
  • ケイ酸塩中のREE、HFSE、ホウ素、U、Th、Pbなどの微量元素の直接希釈定量
  • リアクションモードを用いたCa同位体比測定
仕様
-
機器のある場所
ICP質量分析室

ICP発光分光分析計装置

メーカー
パーキンエルマー株式会社
型番
Optima DV4300
概要
ICPでイオン化された元素からの発光を分光器を通して検出する装置です。発光する光のスペクトルは元素に特有であり、光の強度は試料中の元素の量に比例することから、試料に含まれる目的元素の定性・定量分析が可能です。本装置は多元素同時分析型であり、エシェル分光器と二次元半導体検出器を組み合わせることで、複数の元素のスペクトルを同時に検出することが可能です。また、測光位置をプラズマの横方向と軸方向で使い分けることで、高い感度と安定性を得ることができます。感度ではICPMSに劣りますが、試料そのものを装置内に取り込まないために、対マトリックス性能が高く、シグナルの安定性も高いことが特長です。
応用例
  • 炭酸塩中のMg/CaおよびSr/Ca濃度比や、その他微量元素の定量
  • 堆積物中の主成分および微量元素の定量
仕様
-
機器のある場所
ICP質量分析室

原子吸光光度計

原子吸光光度計

メーカー
パーキンエルマー株式会社
型番
AAnalyst800
概要
原子吸光分析装置は炎(フレーム)や黒鉛炉に高電流を流すことで生じる高温下で、試料中の目的元素が原子化されその原子蒸気が特有の波長の光を吸収する現象を利用し元素を検出する装置です。吸収する光のスペクトルが元素に特有であるため、試料に含まれる目的元素の定量分析が可能です。
応用例
  • アルカリ、アルカリ土類元素などの直接定量
仕様
-
機器のある場所
無機地球化学実験室
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